2009年05月10日

音と音楽の現場から10

「なるほど、木造二階建のスタジオじゃタイトル数を賄いきれないよね」

いやぁ、いろいろあります営業所。
新入社員の歓迎会、場所は銀座の第一ホテル。第一線の営業マン、これがなかなかお酒が強い。(当たり前か)九州出身というだけでいやというほど飲まされた。
止せばいいのに、調子に乗って受けてしまってさぁ大変。新橋の駅のホームにたたずみ大噴水。生まれて初めての悪酔いに、地球は回る天動説。トイレの便器が愛しいとこれほど思ったことはない。(みんな身に覚えがあるよね)
そんなこんなの実習も二ヵ月をすぎた頃、配属の発表がありました。
人事課長の発表に、悲喜交々の訓練場。
なぜか私だけが名を呼ばれない。
遂に最後の一人になりました。
ミキサー試験に受かってるとはハナから思わずどこに行くんだとの不安ばかり。
やっと名前を呼ばれ課長の前に立ちました。にっこり笑って「ミキサー」とたった一言。
あの笑顔は今でもはっきり覚えてる。
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音と音楽の現場から9

歩いても歩いても霞が関ビルは遠かった。
指に食い込むレコード袋。何でこんなに数がある?よくよく考えてみたら、ビクターレコード全盛期。
森進一、青江三奈、藤圭子、森山良子、クールファイブ、の全盛期。その他の中小ヒット数知れず。
なるほど、朝の出荷は大戦争。LP百枚入りの段ボール次から次と担ぎ揚げ、受注の電話は鳴り止まず。
恐る恐る受話器を取るがしゃべるスピードが早すぎて間違い送付数知れず。
「山野楽器様すみません」

《この時、ビクターはレコードシェア50%をめざしていた。
そのため、千駄ケ谷に東洋一「昔はこうゆう表現が日本人は好きだったよなぁ」の規模のスタジオを建設中で我々はそのスタッフだった。、、配属が決まった後聞かされた》
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音と音楽の現場から8

この二人との関係は、この後、永い永い音と音楽の現場の物語。

試験は他にもあったけど過去の彼方で覚えがない。
あれ程、あそぼと思ったのに今では全く記憶がない。 

但但、思い浮かぶのはスタジオのスピーカーの音でした。
歌手が目の前で歌ってるそんなリアルな音でした。

再び始まる訓練は講義から現場実習へと進みます。
工場の生産ライン、レコード店の営業所実習。楽しかったのはレコード店実習。
ヒガナ一日好きなレコードかけてレコードが売れる素敵な時代。
新橋の営業所実習も思い出に残ることばかり。
霞が関ビルのFM東京までサンプルレコードを届けに行けとの命令に、両手にLP20枚づつ持って飛び出した。新橋駅から虎ノ門まで切符を買おうとしたけど金が無い。後ろのポケットに入れておいた金が無い。スリにやられたか、落としたかも定かではない。しょうがないので歩きだした。この時、初めてわかったレコードの重さ。それと高層ビルは大きいゆえに近くに見える。
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音と音楽の現場から7

第二次テストは面接質疑。
聞かれたことは「なぜにミキサーになりたいか」すごくすごく当たり前。
殆どの答えは「歌手に憧れて」。こんな答えじゃ俺でも落とす。
「歌手に憧れで仕事ができるのか?」俺は答えた「ビートルズが好きで応募しました」
試験官二人がチラチラ見てる。目付きの鋭い痩せた課長と、睫毛が長くおめめパッチリ
色白の鼻の穴から毛が覗いてる、ちょっとホモホモした録音技師だ。
このときまさか自分の上司なろうとは御釈迦様でも気が付くまい、、、
(御釈迦様は気付いてるって!)この二人が奥村課長と依田技師だ。
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音と音楽の現場から6

いよいよ始まるミキサー試験。
もとより受かる何ぞはハナから思わず。動機が不順じゃ当たり前、、か。
(心の隅には万が一なれれば格好いいとスケベ心はあったけど、、)
最初の試験は耳でした。
(当たり前だよね)
歪みとノイズの聞き分けテスト。
しかぁーし、わたしごとき素人にゃ、言葉の意味すら解らない。聞き分けるなんてなおさら解らん。
後で聞いたら最高点は四十点、勿論わたしじゃないけれど、そっと胸を撫で下ろす。
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音と音楽の現場から5

喜び勇、いざ東京へ

しかし、新子安の駅のホームで驚いた。
訓練会場でみた顔がゾーロゾロ。その数なんと三十人。
こんなにいるとはしらなんだ。恐る恐る近づいて
「君たちもか?」と尋ねると、
「ミキサーになるためにビクターに入社した」、、、冷や汗

手元を見れば、録音機材の専門書、口元からは専門用語が乱れ飛び、思わずでたよ゛こ
りゃあかん’
遊び仲間は望み薄、知った振りして相づち打ってみなの後をついていく。
地図を片手に辿り着いた築地のスタジオ。
みなの想像裏切って、その建物は田舎の郵便局を思わせる木造二階建。
皆も半信半疑、辺り見回しあきれ顔。
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音と音楽の現場から4

そんなある日、人事担当課長がお呼びである。
ミキサーを志望したことなどコロリと忘れ、何かバレたのかしらンと気もそぞろ。
「君は確かミキサー志望だったよね」
「ハァッ」
「テストがあるけど受けてみるかね?」
明るい日差しが頭の中を駆け巡る。しかぁし、頭に浮かんだのは、″研修会場から抜け出せる″ただそれだけ。スタジオが何処にあるかも知らんのに東京に遊びに行くぞと心が逸る。
「受けるかね?」という課長の言葉で夢から醒め、
「勿論受けさせていただきますだぁ御代官様ぁ」心浮き浮き訓練が続く中、ついにその日となりました。
時間の都合で訓練中の出陣だ。みんなの前で名前を呼ばれ、研修会場を出ていく晴れ姿。
不良仲間に手を振りながら、何して遊ぼとばかり考えた。
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音と音楽の現場から3

「ミキサーの試験があったら受けてみるかね」
「それは是非、是非!」揉み手をしながらひたすらお願い。(するわけがない 笑)
「もし募集があるようだったら連絡するよ」
「よろしくお願いしますだぁ御代官様ぁ」、、、とは言ってない 笑

しかし人事を訪ねたのも、入社訓練少しでもさぼりたい不良社員の手段だったようで。

この後も北鎌倉の円覚寺での一週間の座禅修業(まさか悟りが開けると思っているわけでもあるまいに、、)私共、不良社員がおとなしく従うわけがない。朝の掃除や作無衣の度に一人抜け出し二人抜け、広い寺内は逃げ場に事欠かない。トイレの裏はタバコの吸い殻だらけ。よくぞ火事にならなかったものだ。(コリャァ!未成年共、、などと誰も思わず)

しかし、真面目グループと不良グループはすぐに別れるもので。不良グループはほぼ短期間に群れるもので、その後の連携の良さは何もいわなくてもスムーズなものだ。点呼の代返当たり前、下山禁止どこ吹く風で菓子を購い、足りないご飯は台所に忍び込み、狭いトイレはタバコの煙。

人事担当官は頭を抱え「お前達のおかげで便秘になった」などとほざく始末。
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音と音楽の現場から2

まだまだ公害真っ盛り。昭和44年はそんな年代でありました。 ビクターへ入社後、退屈な退屈な入社訓練が3ヵ月も続く中、どこに配属されるかが仲間内の話題の中心。
ある日、訓練の疲れでぐったりしていた夜、相模原の独身寮の一室でテレビ(もちろん白黒)を見ていたら、多分TV局の音楽番組であったと思うけど、録音ブースが映ってた。
私の生涯で人生の分岐点になった一瞬である。
カッーーコいいじゃん!ただただそれだけ。
新子安の本社へ研修に通う中、隣の飼料工場から流れる悪臭に(その当時は川も空も海も公害だらけ)「絶対ここでは働かないぞ」という覚悟のもとに人事担当の課長に面談を求めてしまった。
「すみませんがビクターはレコード部門もありますよね」
「あるよ」
最初はけんもホロホロに扱われると思い描いていたのに意外なお
言葉。
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2009年05月09日

音と音楽の現場から1

これより永年にわたった音と音楽の現場をアルツハイマーの始まる前に(すでにかなりアルッテきてますが、、)語っていきたいと思います。
お読みになり興味のある方はコメントをよろしくお願い致します。

目に見えない音の世界を「音が良いの悪いの」と、よくもまあ飽きもせず、そば屋でもないのに「かたいの柔らかいの」と、何十年もやってきたものだと思います。ビクターに入社してスタジオに配属されたときは、ベースの音も追えない耳の状況でした。
生まれて初めて聞いたスタジオのスピーカーから流れる音の大きさ、リアルさに但但呆れ驚き、初めて間近に見る有名人達に、毎日緊張の連続でみるみる痩せていきました。笑・・・・

初めて触るさまざまな録音機材、まず今ではたいした数ではありませんが、たくさんのつまみが並んだミキサー卓、これだけで頭がショートして煙が出そうでした。マイクもノイマンだの、RCAだの、知らないドイツ語や英語と数字のオンパレード。
いやー田舎者には酷でした。
posted by アナログオヤジ at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記